魅力的な直接投資への新たな手法

地方の給料が上がり、世界のトレンドがシフトする中、ベトナムはこれからの新たな直接投資の魅力について、経済に価値をもたらすいくつかの優先セクターに注目しつつ立案しています。
計画・投資省はその案の中で、ベトナムが国にとって強い利点があるセクターに焦点を当てる計画であるとしています。そのターゲットは、ハイテクノロジー、ニューブランディング、ニューマーケティング、海外の企業がもたらす高い価値などです。
5つのセクターとはハイテクノロジー/ICT、加工製造業、裾野産業、観光、ハイテク農業です。
外国投資企業ベトナム協会のグエン・マイ会長は、グローバルなトレンドが形作られ、地域の競合性は変化していると話します。
EUやアメリカからのベトナムへの出資は、他のアジア諸国と比べると停滞しており、新たな直接投資(FDI)を作らない限りこの状況は続くとみられています。
「投資奨励策をオファーすることはある特定の期間であればいいですが、ベトナムはFDIをひきつけることに頼りすぎるのはもうやめたほうがいいのです。なぜなら、私たちには他に効果的な方法があるからです。」と彼は言いました。
マイ氏は2014年に、ベトナムは直接投資の魅力という点で中国には勝てないとしましたが、今なら可能だと言いました。中国の投資政策が変わってから、投資家は中国を後にし、より魅力的なベトナムやインドネシアなどに投資を始めました。
この新たな直接投資の展望において、ベトナムはインドの安い労働力と技術力には勝てません。インドの平均賃金はベトナムよりはるかに低いのです。ハイテク分野での直接投資では、ベトナムはインドと比べると魅力的ではないでしょう。
新たな直接投資の魅力的戦略はベトナムの労働力の安さはもはや利点ではないということを証明するでしょう。
「ベトナムにとって、本当に重要な時間となります。賃金は上昇しています。これは政府の目標なのです。その間に、ミャンマー、カンボジア、バングラデシュなどの地域の他の国々がベトナムより低い賃金で労働力を提供しているのです。」と新興成長市場投資戦略に特化した投資コンサル会社、Armillaryのサイモン・ニハール・ベル氏は言います。
「もしベトナムが低賃金という点に固執すれば、失敗するでしょう。給料が上がって、ベトナムはTシャツや携帯電話を安く作るための工場を作るには魅力的ではなくなるのです。ベトナムは今後、低賃金ではなく、技術と高品質、ビジネスをする良い環境と高賃金において人々を惹きつける努力をする必要があるのです。」
ベル氏はアメリカとイギリスを例にあげました。この2国は世界で最も直接投資の魅力がある国です。賃金水準が高いにも関わらず、多くの直接投資を引き寄せています。「なぜ人々がそこへ行くかというと、スキルとテクノロジーがあるからです。それらは、私たちがベトナムに持って欲しいものなのです。」と彼は言いました。
ベトナムの新たな戦略を立てる支援をしている世界銀行によると、世界のトレンドが第4次産業、自由貿易協定、新しい経済モデルにある中で、提案された目標セクターは実行可能で、ベトナムにとって価値のあることです。これらのセクターの外国人投資家はハイテクノロジー、資本、国内企業が持っていないような研究開発(R&D)のノウハウをもたらすことができるの
です。
例えば、高級な金属や化学物質のための第二の加工産業では、国内市場も地域の市場もそれらの製品をとても必要としています。ベトナムは炭化水素やミネラルなどの入力資源が豊富で、競合的エネルギーや労働コストにも同様のことが言えます。
「金属や化学物質の器材製造を標準レベルまで上げる間、国内企業はR&Dを発展させるのに何年もかかるでしょう。」と世界銀行の代表者は言います。
さらに重要なのは、このセクターでベトナムが多くの直接投資を引き寄せれば引き寄せるほど、経済にとってさらなる価値をつけるということです。これは国のバリューチェーンの競合性を高め、より高い価値の製品を生み出すことで入力資源の価値も大幅に増加させます。世界銀行はこのセクターにおける労働者1人あたりの平均価値は年30,000ドルから40,000ドル増に
なると見込んでいます。
実際に、日本や韓国の電気、自動車、バイクなどの大手企業を含む多くの海外製造業が不満を持っています。海外製造業の一次下請け企業や二次下請け企業をベトナムなどに作っているにも関わらず、必要な金属、プラスチック、化学物質は輸入しなければならないからです。これはコスト増と製造の長期間化に繋がってしまいます。
「競合性を保つための最大のチャレンジは、彼らが全てのものを輸入する必要があるということです。これはコスト増となります。1番の価値があるのは、ベトナムにサポーティングインダストリーを確立することです。」とベル氏は言います。「年間200,000台近い自動車がベトナムで生産されていますが、タイの生産量は2,000,000台を超えています。同じ環境や技術を持っているのに、中国だけではなく、インドと比べても遅れをとっているのです。」
ベトナムは直接投資において大きく進歩してきました。2016年には、インドネシアとともに、ASEANのFDIアトラクションにおいて最も成功した国になりました。
国連貿易開発会議の統計によると、2016年のFDIの対GDP率は6.1%となり、地域の国々と比べても高い数値となりました。マレーシアは3.3%、ミャンマーは3.2%、フィリピンは2.6%、インドは2%、中国は1.2%、タイは0.4%となっています。

「根拠のない」仕事の安全性の主張に対するサムスンの回答

スウェーデンの非営利組織IPENは、サムスンのベトナム人労働者が疲労、めまい、流産など健康面で問題を抱えているという報告を発表しました。この報告に対する回答として、サムスンの代表者は100,000人(うち4,000人が妊娠中)の労働者のうちの45人の女性労働者を対象に調査をし、IPENの主張には根拠がないと発表しました。

サムスンの回答
11月初旬、スウェーデンに本拠地を置く非営利団体IPENが、ベトナムにあるサムスンの2つの工場の45名の女性の健康状態を調査した結果は、サムスンが労働の安全性を確保していないという根拠のない主張となりました。
サムスン電子はベトナム北部のバクニンとタイグエンに2つの携帯電話工場を持っており、サムスンが世界に供給している携帯電話の半分がベトナムで製造されています。
工場には100,000人以上の労働者がおり、昨年は360億ドルの利益を生み出しました。これはベトナムの電子産業全体の68%になり、ベトナムでもっとも稼いでいるセクターです。
「バクニン、タイグエンとその他の韓国の工場を比べると、多少の困惑はあるかもしれません。ベトナムでは、労働者は携帯電話の組み立てのみ行います。健康を害するような有毒な化学薬品を扱うことはないのです。アルコール洗浄などは行いますが、それが健康を害することはありません。」とサムスン電子ベトナムのリュ・キル・ソン代表はvnexpress.netで話してい
ます。
2つの工場を合わせて100,000人以上の労働者がお理、そのうち4,000人が妊婦です。「45人の調査では、特定の根拠なく流産率がと高いとしています。実際に何例あったのか、どの程度深刻なものなのかという実態が全くわかりません。結論づけるには、45人というサンプルは少なすぎるのです。」と彼は強調しました。
労働者がずっと立ちっぱなしで、休憩を与えられていないという主張には、立って作業するか座って作業するかは、どの工程を担当しているかによるとリュ・キル・ソン代表は言います。
労働者は2時間ごとに10分間の休憩があり、ランチかディナー休憩として1時間与えられています。トイレ休憩はいつとってもいいのです。

MOLISA(労働・傷病兵・社会問題省)の検査
2017年、労働・傷病兵・社会問題省(MOLISA)はバクニンとタイグエンのサムスン電子の工場に検査に入りました。MOLISAによると、全ての労働者が労働契約にサインをしており、社会保険、雇用保険、健康保険に加入しているとのことです。
会社は規制に従って休憩時間、休暇、テト休暇を確保しています。労働者の給料は地域の最低賃金よりも高く、年に1度の健康診断があり、危険業務に就いている者と高齢者には年に2度行います。
しかし、MOLISAはサムスンが3つの違反をしていることを見つけました。残業時間(上限月30時間)の超過、無理なシフト割り当て、13,600人以上に対する衛生講習の未実施です。ただ、他の電子セクターが10から12の違反をしていることを考えると、その割合は低いといえます。
「MOLISAが調査した結果では、IPENが発表したような違反はありませんでした。」とMOLISAのグエン・ティエン・トゥン主任監査官はインタビューで答えました。さらに、省はIPENの主張を裏付けるための調査をする予定はないとしています。
トゥン氏は残業時間の超過は海外企業においてよくある違反であるとし、省は政府に対して、輸入業は600時間に拡大するよう進言するつもりです。サムスンは昨年のベトナム最大の輸出先であり、電子部品の輸出で400億ドルの収益をあげ、ベトナムの輸出利益の23%に貢献したのです。