「根拠のない」仕事の安全性の主張に対するサムスンの回答

スウェーデンの非営利組織IPENは、サムスンのベトナム人労働者が疲労、めまい、流産など健康面で問題を抱えているという報告を発表しました。この報告に対する回答として、サムスンの代表者は100,000人(うち4,000人が妊娠中)の労働者のうちの45人の女性労働者を対象に調査をし、IPENの主張には根拠がないと発表しました。

サムスンの回答

11月初旬、スウェーデンに本拠地を置く非営利団体IPENが、ベトナムにあるサムスンの2つの工場の45名の女性の健康状態を調査した結果は、サムスンが労働の安全性を確保していないという根拠のない主張となりました。

サムスン電子はベトナム北部のバクニンとタイグエンに2つの携帯電話工場を持っており、サムスンが世界に供給している携帯電話の半分がベトナムで製造されています。

工場には100,000人以上の労働者がおり、昨年は360億ドルの利益を生み出しました。これはベトナムの電子産業全体の68%になり、ベトナムでもっとも稼いでいるセクターです。

「バクニン、タイグエンとその他の韓国の工場を比べると、多少の困惑はあるかもしれません。ベトナムでは、労働者は携帯電話の組み立てのみ行います。健康を害するような有毒な化学薬品を扱うことはないのです。アルコール洗浄などは行いますが、それが健康を害することはありません。」とサムスン電子ベトナムのリュ・キル・ソン代表はvnexpress.netで話しています。

2つの工場を合わせて100,000人以上の労働者がお理、そのうち4,000人が妊婦です。「45人の調査では、特定の根拠なく流産率がと高いとしています。実際に何例あったのか、どの程度深刻なものなのかという実態が全くわかりません。結論づけるには、45人というサンプルは少なすぎるのです。」と彼は強調しました。

労働者がずっと立ちっぱなしで、休憩を与えられていないという主張には、立って作業するか座って作業するかは、どの工程を担当しているかによるとリュ・キル・ソン代表は言います。労働者は2時間ごとに10分間の休憩があり、ランチかディナー休憩として1時間与えられています。トイレ休憩はいつとってもいいのです。

MOLISA(労働・傷病兵・社会問題省)の検査

2017年、労働・傷病兵・社会問題省(MOLISA)はバクニンとタイグエンのサムスン電子の工場に検査に入りました。MOLISAによると、全ての労働者が労働契約にサインをしており、社会保険、雇用保険、健康保険に加入しているとのことです。

会社は規制に従って休憩時間、休暇、テト休暇を確保しています。労働者の給料は地域の最低賃金よりも高く、年に1度の健康診断があり、危険業務に就いている者と高齢者には年に2度行います。

しかし、MOLISAはサムスンが3つの違反をしていることを見つけました。残業時間(上限月30時間)の超過、無理なシフト割り当て、13,600人以上に対する衛生講習の未実施です。ただ、他の電子セクターが10から12の違反をしていることを考えると、その割合は低いといえます。

「MOLISAが調査した結果では、IPENが発表したような違反はありませんでした。」とMOLISAのグエン・ティエン・トゥン主任監査官はvneconomy.neのインタビューで答えました。さらに、省はIPENの主張を裏付けるための調査をする予定はないとしています。

トゥン氏は残業時間の超過は海外企業においてよくある違反であるとし、省は政府に対して、輸入業は600時間に拡大するよう進言するつもりです。

サムスンは昨年のベトナム最大の輸出先であり、電子部品の輸出で400億ドルの収益をあげ、ベトナムの輸出利益の23%に貢献したのです。vnexpress.netによると、今日ではベトナムで6つの工場を稼働させ、52の海外マーケットに製品を輸出しています。